いめーじのなみもり

Koji Mizoiの日記帳。

眠ってて出会ういつかのあなたと起きててもそこに現れるいつかのあなた。

 まだこんなところにいたんだと思って、ハッとして目を覚ます。最近のイライラした感じだったり、釈然としない感じだったり、そういうものの骨格というか、内臓というか、いわゆるその機能みたいな、どうしてこんな風に怒りに似た感情が続いてるのか、それがあなただったんですねみたいな。

 もうその人はいないし、関わりもなかったりする。だけどその時に現れていた身体感覚は残っていたりする。それらを使って、目が覚めているときに、現れた人に投影する。まるで目の前の人が私を不快にしているかのように感じる。そうではなくて、私はいつまでもあの時の不快を持っていて、それはあの時受け取っていた振動で、声で、振る舞いで、それらに対する批判だとか、声に出さない震えとか、そういうものが停滞して、何年、あるいは何十年も蓄積して自分を不自由にする。

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 驚いたのが今の段階での子供時代とか幼少期の残留物に関してはわりかし昇華したような気持ちでいたのだが、二十代の頃のそんな残留物も未だにあるんだなって思ったりする。時系列はあまり関係なかったりする。全てがいま同時多発的に存在しているから、どれもこれも今にあって、漂ってる。

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 お風呂に入ってたら家を買うと動けないと思い込んでたけど、お気に入りの家に育てて、住みたい人がいたら貸してあげたらいいと思った。その場所に固定される必要はないし、移動したいときに移動する。根無し草。どこにでも根を張れる柔軟さと、どこにでも行けてしまうある種の不自由さ

 あなたがまだここにいたことにハッとして、気づいて、何か胸をなでおろしたじゃないけど、電流が走るみたいな驚きと、爽快さがあって、不自由な諸々が濁流のように流れていった。ただ気づけただけで良かったりする。そのあとどうしようとか、謝ろうとか、仲良くしようとかもない。ただ居たんだってことに気がついて、その場に置いてあげる。使いたい側面は選べば良い。排除する必要はないし、ただ置いておく。ただ僕の目のつかない場所でやっててもらう。関わりは持たないのかもしれないが、もしかしたらまた出会うかもしれない。「俺はお前の無愛想な態度だとか、積極性のない姿勢が気に食わない。それにどうして俺のことを嫌ってるのか、その態度が読み取れてしまうのか。わからないし、そもそも俺はお前のことなんて気にしていないし、俺は好きにやってる。若気の至りでしょう」と言うだろうし「僕はあなたの偉そうな態度が気に食わない。どうしてあなたが取り仕切ろうとするのか、なぜあなたの指示を聞かなくてはならないのかよくわからないし、そのつもりもない。あなたがやればいい。人を動かそうとする前に、あなたが仕事をすれば良いのだと思う」と言うだろうし、どちらも存在していて、だからといって他人を自分の領域に入れる必要はなく、ただ自分の側面があらゆる方面に存在し、その時々に肥大する襞みたいな、感触みたいな。

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 昨日は柚子湯した。冬至。ふにゃふにゃの匂い玉。